現寸・加工図 工程(業務内容)レポート
「現寸」とは、
実物大の寸法で描かれた図面のことを指します。
現寸・加工図では
構造物の製作において、建築物に使用される鉄骨部材の寸法を確認し、正確に決定するための工程です。
主な業務を紹介します。
1. 設計図書の確認
建築物の設計図書、特に構造図をもとに、鉄骨の寸法や形状、接合部の詳細を確認します。
鉄骨製作における工作図の種類と内容は以下の通りです:
一般図:設計図(意匠図・構造図)をもとに建物の鉄骨に関する基本的な情報をまとめた図面
伏図・軸組図などがあります。一般図をもとに鉄骨詳細図が作成されます。
基準図:工作するうえで基準となる図面
溶接基準図、継手基準図、仮設基準図などがあります。
詳細図:部材の詳細(2次部材含む)が描かれた図面
柱詳細図、梁詳細図、仕口詳細図、などがあります。
2.CAD/CAMシステムの利用
• CAD/CAMシステムを使用して、鉄骨の施工図を作成します。
この施工図は、工場での鉄骨の製作や現場での組立に必要な詳細情報を含みます。
• 3Dで交差部の複雑な取り合いを確認し、部材の干渉などの不具合を減らすことができます。
• 当社では3D/CADでデータを作り、出力したデータを汎用CADで修正しています。
• 加工図は工場で加工する社員が理解しやすく、スムーズに加工が行えるように工夫しています。
軸組図
3D画像
工作図/編集
CAMデータを作成、孔明け・切断(1次加工)用
•工作図に基づき、鋼材に必要な穴を開け、必要な寸法に切断するデータを作成します。
CAMデータ/編集画面
1次加工後の鋼材
3.型紙(プレート)の作成
• 施工図をもとに、実物大の型紙や部材リスト、工作図などを作成します。
型の作成より、製作組立で正確な寸法を確保することができます。
型紙の注文データ
型取りの際に考慮していること
• 鉄骨部材の溶接個所や溶接量、工法などを考慮し、部材の正確な寸法を決定します。
• 溶接基準図を基に、溶接形状に伴った型紙(プレート)寸法にするため、汎用CADで編集します。
現場の搬入日程をもとに
部材の納入時期や順序を、工場と相談しながら発注を行います。
二次部材の集計・発注
切断表や加工指示書などの作成をします。
プレートの入荷
取り出しやすく並べています
4.工作図の作成
• 製作時の工作図を作成します。製品の品質を左右するため、非常に重要です。
工作図
5.現場の条件の反映
・現場の条件を反映し、実際に製作する鉄骨と同じ寸法で図面を描きます。
・打合せ内容から、変更点の情報を工作図に随時反映していきます。
これらのステップを通じて、現寸・加工図(梁)の工程を進めています。
製作フローに沿って組立・溶接と鉄骨が製作されます。
現寸・加工図は、建築物の安全性と品質を確保するための工程です。