超音波探傷検査(UT検査)レポート
超音波探傷検査 (UT: Ultrasonic Testing) は、鉄骨製品の内部欠陥を検出するために使用される非破壊検査技術です。超音波を利用して、目視では確認できない内部の傷や割れなどを発見することができるため、鉄骨溶接部などの品質管理に広く利用されています。
建物の構造上、応力が集中しやすい場所は、「完全溶け込み溶接」という溶接方法が用いられ、UT検査の対象になります。
UT検査は、超音波(人間には聞こえない高周波音)を使って、内部を調べる方法です。
具体的には以下の手順で行います。
1. 超音波送信:検査機器から材料に向かって超音波を送信します。
2. 反射波の受信: 超音波は何もなければ通過しますが、異物や欠陥に当たると反射されるので、その反射波を検査機器で受信します。
3. データ解析:受信した反射波を解析して、材料内部の異物や欠陥の位置や大きさを特定します。
例えば、溶接の内部に亀裂がある場合、超音波がその亀裂に当たると反射波が返ってきます。この反射波のパターンや強さを解析することで、亀裂の位置や大きさを正確に把握することができます。
検査の結果、欠陥が発見された場合は、手直しを行います。
UT検査には、「垂直探傷」と「斜角探傷」がありますが、溶接部は余盛があり、真上から探触子をあてられないため、「斜角探傷法」を用いて検査します。
UT検査を行うためには、高度な専門知識と技術が必要です。
「非破壊試験技術者(UT)」の資格を取得した社員が、検査を行っています。
UT検査は、鉄骨製品の品質を確保し、構造物の安全性を向上させるために不可欠です。
目に見えない部分の「不安」を見つけ、「安心・安全」な製品の提供に努めています。